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「謀略鉄路」(4)

(続き)



  主題となる「橋頭堡戦略」について、改めて確認しておく。

  この戦略は、先に述べたように、周辺国への経済的進出などをそのまま地政学的な拡大に例え、そのうえでその拠点としての地域を「橋頭堡」すなわち「砦(とりで)」になぞらえた言葉であると筆者は解釈している。



  雲南省で1985年に発刊され、胡耀邦が題字を書いている雲南省では名の知れた『雲南信息報』の記者は、「在橋頭堡建設中完善對外開放戦略布局」と題した記事の中で、この戦略とはそもそも何であるかを簡潔にまとめている。

  2009年7月、胡錦涛総書記が雲南を視察した時に指摘した:「雲南を我が国の西へ南への開放的な重要たる橋頭堡とならしめる」と。
  これは中央が雲南の未来の発展に重要な戦略位置を定め、中央が雲南に対して更なる我が国の対外開放の全体の局面で重要な期待をするもの。
  我が国は西へ南へ開放し、主に南アジア、東南アジア諸国を重点にインド洋沿岸に向かって、西アジアとアフリカの東部などの広大な地区の対外開放へ延び、容易に「一洋四区」と言えるようになる。
  「一洋四区」は我が国の西南方向への戦略配置の中で、それぞれ異なる地位と重要性を持つ。



  これは間違いなく、第三世界諸国を中国に取り込み、国際社会の中で中国の地位向上を狙うための戦略「真珠の首飾り」とリンクするものであろう。「主に南アジア、東南アジア諸国を重点にインド洋沿岸に向かって、西アジアとアフリカの東部などの広大な地区の対外開放へ延び」という部分はそれを端的に表している。広い意味では「新幹線外交」の一環である。そしてその対象諸国を、インド洋方向を中心に「一洋四区」としてまとめあげ、その中心に中国が座するという目論見であると言える。
  そのための拠点、すなわち「橋頭堡」に相当するのが雲南省であり、そしてその整備により雲南省を「橋頭堡」たらしめる一連の経済的戦略、これこそが「『橋頭堡』戦略」なのである。



  事実、アフリカを中心とした第三世界では中国の進出が凄まじい。スーダンやミャンマーの例は言うに及ばず、筆者が実際に視察したラオスなどの東南アジアも例外ではない。



  南アジアの時事問題に強く、独自のニュースと社説を提供するスウェーデンのオンライン新聞『アジアン・トリビューン[Asian Tribune]』は、「ミャンマーは中国帝国主義の最初の犠牲者となるのか(原題:Is Burma the first Causality of Chinese Imperialism?)」と題したニュースの中で、

  ビルマ『植民地』は、『帝国』中国の『二海洋戦略』に適合。
  北京(政府)は、雲南との間で道路・鉄道・航空輸送の戦略のネットワークの設立、水・油・ガスのパイプラインなどのセキュリティを高めるためにインド洋に勢力拡張を試みている。

と述べて警鐘を鳴らしている。

  アフリカ方面に目を転じれば、中央企業「中國鐵鉄路物資總公司」が「非洲礦業公司(アフリカン・ミネラルズ[African Minerals Ltd.]を指す)」の株を買い、西アフリカの鉄鉱取引開発の合意署名が半年で間もなく成立するというニュースが入ってきたばかりである。この合意によって、アフリカン・ミネラルズは自社株12.5%を2.8億米ドルで売却し、これによって同社はアフリカ・シエラレオネでのトンコリリ地区鉄鉱石プロジェクトの開発のための資金調達を完了するという(新浪網より、「中鐡物資2.8億美元入股非洲礦業只待政府審批」)。
  このニュースは4月2日の『ウォール・ストリート・ジャーナル日本版(WSJ.com)』「中国鉄路物資、アフリカン・ミネラルズの株式12.5%を取得へ」と題して報じており、しかもその後6月にチャイナ・デーリーが報じたところによると、アフリカン・ミネラルズは50億ドルを調達してトンコリリ鉱山を探索し、105億トンの鉄鋼石を中国に運ぶ計画で複数の中国企業と交渉中であるとFrank Timis会長が明かしたというのだ(ロイターも中国の主要記事のなかで報じている)。



  中国の目論見は着々と進行しつつある。



  この構図は、資源を狙う中国、資本と技術を呼び込みたい発展途上国の思惑、両者が完全に一致した典型的なパターンであり、第三世界諸国(独裁国・最貧国が多い)にとって、資源ナショナリズムを鼓舞する非常に魅力的な方策と映るであろう。『アジアン・トリビューン』は、先に引用した「ミャンマーは中国帝国主義の最初の犠牲者となるのか」に於いて、現在の中国を取り巻く資源外交の様子を簡潔に描写している。

  アフリカ、ビルマ、イラン、北朝鮮で独裁者に対応…そしらぬ顔をして兵器と引き換えに天然資源のためのインフラストラクチャ援助…「帝国」中国を助ける天然資源抽出。






(続く)
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  1. 2010/06/11(金) 12:35:39|
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