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「もう一つの『橋頭堡』」重慶と、その先にあるもの

  このブログでも一貫して観察と雑感を記してきたのが、中国西南部に於ける地域開発や交通開発、そしてそれらによる隣接地域への影響である。

  中国西南部に位置し、豊かな自然と美しい景観に恵まれ数多くの少数民像が居住する、「彩雲の南」に由来するとも「雲嶺(四川省との境)の南」に由来するともいわれる名を冠する雲南省。この地域では、経済建設に関するほぼ全ての計画・整備が、日本では存在自体が殆ど知られていない社会開発戦略「『橋頭堡』戦略」に基づいて構築されている。

  その要旨は2009年の雲南視察時の胡錦涛談話に始まるものであり、この戦略に於いて地方政府は、中央から対外開放へ向け重視されたという事実を逆に利用して投資資本を呼び込み、最も辺境の省から最も先進的な省へと向けた環境整備を狙っている。

  今回は「もう一つの『橋頭堡』」というタイトルの通り、中国西南部とは別箇所で行われている「『橋頭堡』戦略」な対外開放の動きである。

  新華社の系列に属する『國際日報』が先日報じたところによると、6月30日晩、重慶製のIT製品を満載した「渝新歐」貨物輸送の専用列車が、重慶の団結村の鉄道コンテナの中心駅からドイツのデュイスブルクに発車したという。この「渝新歐」とは「渝・新・歐」、即ち重慶(略称が「渝」)、新疆、欧州を指し、渝新歐國際鐵路という重慶~新疆~欧州の国際貨物輸送の構想が動き出したことを示している[1]

  中国共産党重慶市委員会の副書記で、重慶市の人民政府市長でもある黄奇帆によれば、この構想は10年前から存在したものであり、この国際輸送ルートが開かれたことで、内陸に位置する重慶も欧州へ向けての輸出にとっての重要な「橋頭堡」に向かえると発言している。

  中國物流與採購聯合會の副会長である蔡進は、さらに中国西部の対外開放の物流の構造の発生の重大な転換を示唆している。曰く、「渝新歐」の国際貨物輸送のラインが形成されれば、中国の南方、東南アジアと接する雲南や貴州および広西に達し、さらにはベトナム、ラオス、マレーシア、シンガポールなどへ物流ルートが拡大する可能性に言及しているのである。

  つまり、重慶を対欧州の物流ネットワークの橋頭堡とすることが、雲南省に於ける社会開発戦略「『橋頭堡』戦略」ともリンクさせることができ、欧州~重慶~雲南~東南アジアという物流ルートを構築することにつながるというのである。
  重慶と雲南を結ぶライン、さらに言えば、蔡進が示唆した雲南~新疆~欧州方向の輸送ライン拡大・整備は既に開始されている。

無題  思い返せば、2001年には四川省の内江(これは四川省の成都と重慶を結ぶ成渝ライン上に位置する)から昆明へ向かう内昆線が開通しており[2]、また、四川省の成都と昆明を結ぶ成昆線は2009年より輸送力増強のための複線改良工事に着手されている。
  以前この路線に於けるループ・スパイラル線の現地調査を行ったことがあるため、自分はこの工事は想像を絶する厳しさになると予想した。しかし、1960年代とは違って現在では技術も進歩しており、新線については、ループ・スパイラル線も採用せずに時速200キロメートルで走行可能なルートで建設するという。
  先日の成都市内に於ける交通整備のニュースはその関連であると言える[3]

  重慶を対欧州の物流ネットワークの橋頭堡とすることで、雲南省に於ける「『橋頭堡』戦略」ともリンクさせ、欧州~重慶~雲南~東南アジアという物流ルートを構築する。この狙いは一体どこにあるのか。

  自分は対インド戦略の色が有ると考える。

  この物流ルートに沿う形で世界地図をなぞれば、そこに浮かび上がるのはインドを避けるようにユーラシアを横断するランドブリッジである。

  中国包囲網とも言われた地政学的戦略に「自由と繁栄の弧」というものがあった。これを中国中心にインドを包囲するように逆転させるれば、まさにそのラインと重なるのである。















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  1. 2011/07/10(日) 00:32:28|
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