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「謀略鉄路」(6)

(続き)



  先に『アジアン・トリビューン』「ミャンマーは中国帝国主義の最初の犠牲者となるのか」の中でミャンマーと雲南との間での戦略ネットワーク設立に対する記事を書いたことは述べた。

  この中では、6月2日に中国の温家宝首相がアジア諸国への訪問で最後にミャンマーに到着したことにも触れ、

  ビルマとの1370マイルの境界を共有し、3番目の対外貿易国である中国は(ミャンマーの)パートナー。
  19・20世紀の死語である「帝国主義」が今、経済の形を取ったと再認識できる。
  ビルマ「植民地」は「帝国」中国の「二海洋戦略」に適合。北京は、雲南との間で道路・鉄道・航空輸送の戦略のネットワークの設立、水・油・ガスのパイプラインなどのセキュリティを高めるためにインド洋に勢力拡張を試みている。
  戦略の重要コンポーネントはビルマのガス。
  チャウピュー(ミャンマー)から雲南の昆明までの石油パイプライン計画は、アフリカ北部と中東から輸入され中国向け石油の80%パーセントを運ぶだろう…ベンガル湾からのビルマの天然ガスと同様に。


と中国の狙いを的確に分析している。

  この中で触れられているパイプライン計画は、明らかに先に述べた「真珠の首飾りとリンクする」政策の好例である。



  また戦略ネットワーク設立の関連で、雲南省の企業「雲南聯通」が中国~ミャンマーの光ケーブルとその伝送の工程の初検査を行い、ミャンマー方面より来る国際回路を瑞麗、芒市を通って昆明まで、そして広州ITMCまで伝送システムを発展させるという報道がなされている(『雲南信息報』「橋頭堡・情報站」の中で報じている)。

  この中で触れられている瑞麗、芒市という二つの街は、かつてはビルマへ抜ける西南シルクロードの要衝として、そして重慶蒋介石国民政府時代には援蒋ルートの要所として(実際に旧日本軍も、援傷U「ビルマ」ルートを抑えるため、この地域へ進出している)、そして現在は改革開放政策に伴い中国の対ミャンマー交易口として開けている。

  そしてやはり『雲南信息報』が報じたところによると、「この雲南の瑞麗を含める西部の4つの地方が、国家の“特別な配慮”を受ける」ということが決まったというのである(『雲南信息報』より「4城市納入西部大開發重點 瑞麗或享"特區"待遇」)。



  この政策的な潮流については、『雲南網』も「国家力推邊境開發實驗區 雲南瑞麗欲变身沿邊特区」と題して、以下のように総括的な概論をも報じている。

  国家は年内に、積極的に国境開発が実験区建設を開放することを推進する。
  雲南の瑞麗は境界の特区に変身したいと願っている。
  国家発改委は《2009年西部大開発の進展と2010年の工作事業の手配に関して》(原題:關于2009年西部大開發進展状況和2010年工作安排)を公表した。
  2010年に西部大開発の工作事業の手配について緊急公布し、深く突っ込んだ西部大開発戦略の若干の意見を実施する。
  上述の文献が明確に、広西の東興、雲南の瑞麗、新疆のカシュガル、内蒙古の満洲里など、重点的な開放試験地域の建設開発推進、境界の優位を発揮しての周辺国との経済貿易文化交流の推進を表している。
  関連専門家は、国境都市とその他の国境を接する地理的条件の優位を利用し始めたら、労働力過剰と相対的貧困の問題を解決できると言う。
  実際ここ2年、西部地区の対外開放は絶えず増大し、そしてますます周辺国地域との深い協力を重視し展開していて、去年、中国アセアン自由貿易地域、上海協力機構、瀾滄江~メコン川の拡大地域間協力と開拓に深く入り込んだ。





  ここでタイトルでもある「鉄路」が関係してくる(「鐡路」=「鉄道」)。

  この地域の経済開発とその発展の建設のために、「真珠の首飾り」戦略の核心要素でもある「輸送」体系の確立に、「新幹線外交」戦略の要素とも言える文字通りのツールとして、そして「橋頭堡」戦略での西南地区の発展のために、鉄道という近代文明の産物こそ必要とされているのである。

  「生活新報」は 「建昆明至皎漂鐡路 是“橋頭堡”建設突破口」と題して新しい鉄道についての意義を強調する。

  タイトル「建昆明至皎漂鐡路 是“橋頭堡”建設突破口」(昆明から皎漂へ至る鉄道の建設 これは“橋頭堡”建設の突破口である)

  南西への“橋頭堡”戦略の実施に関して肝心な点は、戦略の突破口をよく選ぶことにある。
  総じて述べれば、昆明から皎漂へ鉄道を建設することを以て、西南の港への貫通を求める重点工程となす。





  この記事のタイトルで「“橋頭堡”建設の突破口」とまで強調される鉄道建設計画の目的地「皎漂」こそ、先の『アジアン・トリビューン』「ミャンマーは中国帝国主義の最初の犠牲者となるのか」の中で「戦略の重要コンポーネント」である「ビルマの天然ガス」同様に「アフリカ北部と中東から輸入され中国向け石油の80%パーセントを運ぶだろう」と分析する昆明までの石油パイプライン計画の始点・チャウピューなのである。

チャウピュー[皎漂]から雲南の昆明までの石油パイプライン計画を報じる「人民日報」記事
▲チャウピュー[皎漂]から雲南の昆明までの石油パイプライン計画を報じる「人民日報」記事。
中国の温家宝首相がアジア諸国への訪問で最後にミャンマーに到着したことを報じる「人民日報」記事。
▲中国の温家宝首相がアジア諸国への訪問で最後にミャンマーに到着したことを報じる「人民日報」記事。




(続く)
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  1. 2010/06/14(月) 18:31:14|
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